備考欄のようなもの

主に、中国語圏の文学・音楽・映画等について記します。

中国ポップスの父、黎錦暉氏について:イザ!

中国ポップスの父、黎錦暉氏について:イザ!

産経新聞中国総局記者の方のブログ。このブログ投稿も昨年11月のことだし、さらにその前に産経新聞の記事にもなっているとのこと、全く気付かなかった。まずは、日本のマスメディアにも黎錦暉が取り上げられるようになったことは歓迎したい。

投稿の中身だが、事実関係としていくつか気になることはある。
・「国民政府中華書局の職」とは?政府とは関係ないのでは?そもそも1921年にはまだ「国民政府」はないのだが…。
・「黎莉莉は、黎錦暉の妹で当時の歌姫」…妹ではなく養女である。南洋公演の際に家族以外の未成年を連れて南洋に行くことができず、養女としたもの。
・「公演先のジャカルタから帰国する旅費をつくるため」…正しくはシンガポールから。
・「黎はその巡回公演で歌った「毛毛雨」などの曲を「家庭愛情歌曲」としてレコード出版した。」…南洋公演以前に「毛毛雨」がレコードとして発売されていることはかつて拙稿に記した。
・「毛沢東の妻となる江青は、藍苹の芸名で明月社に入団しようとしたが、オーディションに落ちたというエピソードがある。」…そのように記しているネット上の記事はあるが真偽不明。なお、正しくは「藍蘋」であろう。
・「洋板戯」という言葉が三回出てくるが正しくは「様板戯」。

どうも最近揚げ足取りのためのブログになってしまっているような気がする。
もう一つ、最近出た本の中で中国流行歌についての誤りが多いことに気付いた。こちらも近いうちに誤りを指摘しておきたいのだが…。