備考欄のようなもの

主に、中国語圏の文学・音楽・映画等について記します。

毎日新聞の中国語が変

南京事件70周年を迎えるにあたり、集会などを伝える報道があるが、一つ気になることがある。
まずは、11月30日の記事。
南京虐殺:今も消えぬ傷と憎しみ 被害者の張さん、あす大阪で証言 /大阪



 祖父母らを旧日本兵に殺害されたという男性、伍正禧(ウーチェンシー)さん(84)が証言している時から、張さんに異変が起きていた。「恨通了(ヘントゥラ)、恨通了……」。中国語で「とても憎い」を意味する独り言だった。
(毎日新聞 2007年11月30日)

「恨通了」は聞き慣れない中国語だ。そもそも発音も、ヘントゥラにはならないはずだ。これは言うまでもなく、「恨透了」の誤りだろう…、と思っていたら、
昨日の記事。
南京虐殺:実態と恐怖、訴える 事件70周年の集会で、被害者2人が証言 /静岡

「恨通了(とても憎い)」。集会に先立ち毎日新聞の取材に応じた張さんは、旧日本軍について聞くと、顔にしわを寄せて何度も繰り返した。(12月9日朝刊)


もちろん証言者の苦しみや憎しみを揶揄するつもりはないのだが、誤りを「何度も繰り返した」のは毎日新聞ではないか。天下の毎日新聞がこの程度の中国語の誤りをチェックできないのは不思議だ。