2011年リイシュー・ベスト・アルバム5(中華圏)
ツイッターなどで、ご存じの方もおられるかもしれませんが、はじめまして。
ツイートよりも長い文章を書きたい時のために、ブログも作ってみました。三日坊主で終わるかもしれませんが。
記念すべき第一回のお題は、「2011年リイシュー・ベスト・アルバム5(中華圏)」。
毎年、『レコード・コレクターズ』2月号で、その前年のリイシューベスト10/5がジャンル別に掲載されるのですが、残念ながら中華圏のCDは掲載されません。
(ワールドミュージックの欄でも取り上げられることはない。)
ならば、自分で作ってしまおう、という次第。 うまくいけば来年以降、雑誌からオファーが来たりして(無理)。
ただし、こちらは1970年代以前に限定です。あしからず。それではいきます。
マレーシアから出ているライフ(麗風/樂風)レコードのリイシューを代表して。
一昨年以来、テレサ・テン、アグネス・チャン、劉家昌、その他マレー半島の歌手のCDがリイシューされているが、
これは台湾の歌手が中心で、主に70年代台湾映画の主題歌を集めた2枚組。テレサ、劉家昌、姚蘇蓉、萬沙浪、尤雅、青山らの歌が聞ける。
なお、未聴だが台湾からも2011年に《國語懷念老歌》10枚組が出ていて、一部の曲は重なっているが、権利関係がクリアされているかどうかは不明。
第4位 《筷子姊妹花-金曲集》
これは70年代初頭の香港で活躍した女性デュオ、筷子姊妹花ことThe Chopsticksの全曲集2枚組。それまで広東語歌曲中心だった娯楽唱片Crown Recordの幅を拡げることになったグループ。
基本的にはMOR的英語楽曲を聞かせるが、ザ・ピーナッツの「ウナセラディ東京」のカバーも。中英混血の仙杜拉サンドラ、台湾原住民の亞美娜アミナはそれぞれソロでも活躍した。
第3位 《靜婷早期名曲選》
ここから1位まではほとんど順位に差はない。姚莉や葛蘭の50年代香港録音の貴重なCDを出していた忠實原音Fidelity Sound Archivesがまた出してくれた。
50-60年代の多くの香港映画の吹き替えで活躍し、「黄梅調」からジャズ調までこなす、実力派歌手、靜婷の早期録音集。幻の広東語(!)デビュー曲も収録、服部良一作品も。
これもマニアにはおなじみ、三十年代~四十年代上海の流行歌のSP原盤から音を修復してCD化するシリーズ第九弾は梁萍特集。ブックレットも充実、資料集としても価値有り。
第1位 《Hong Kong Muzikland of the 60/70s 港式西洋風 101》
さらなるリイシューを期待してこれを1位に。レーベルの枠を超え、香港60-70年代の英語楽曲を集めたもの。前年に出たDJのUncle Ray編集の6枚組の続編的位置づけ。
ガレージマニア垂涎の香港ビートバンドや、その発展型グループも多く収める。資料も充実しているが、惜しむらくはレコード番号なども載せて欲しかった。
なお、この6枚組101シリーズからは、許冠傑、Wynnersらは惜しくも選外とした。
あと、番外編として、日本統治時代の流行歌を軍歌に改編した楽曲や、台湾にちなんだ軍歌、ひいては台湾総督小林躋造の演説レコードを収めた《日治時期台灣島民歌謠選輯》もぜひ挙げておきたい。