備考欄のようなもの

主に、中国語圏の文学・音楽・映画等について記します。

【映画】二重露光~Double Xposure~

『二重露光~Double Xposure~』2012・中国/梅田ブルク7(大阪アジアン映画祭)/鑑賞日 2013.03.17./星4

 2013年の第8回大阪アジアン映画祭で、クロージング作品として上映された。同映画祭で特集企画のあった中国の女流監督、李玉の最新作。会場には監督自身は現れなかったが、上映前には監督によるビデオ・メッセージが流された。

 さて、中国でも大ヒットしたこの映画、エンターテイメントとして楽しめるサイコ・サスペンスとなっている。整形外科で働く范冰冰、凛々しい姿だが、物語は意外な方向へ展開していく…。途中までは、どうなるものかとハラハラドキドキの連続だが、終わってみたら李玉監督作の中でも分かりやすい映画となっている。前作や前々作と異なり、范冰冰以外には若手スターは出ていない(陳冲ジョアン・チェンはいるが)ため、彼女の演技が十分に堪能できる。いろいろな意味で、彼女の一人舞台だ。そんな中でも、瑞々しい映像が映画の端々で見られる。秦皇島や新疆のロケも印象深い。

 見終わった後、もう一度見てみたくなる映画である。実際、映像はYoutubeでも見ることができるが、見る前と後では、冒頭のシーンが全く違うように見え、はじめから伏線が張られていたことに気付かされるのだ。

    

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【映画】Fly Me to Minami~恋するミナミ

『Fly Me to Minami~恋するミナミ』2013・日本・シンガポール/シネ・ヌーヴォ(大阪アジアン映画祭)/鑑賞日 2013.03.17./星4.5

 大阪アジアン映画祭@シネ・ヌーヴォで鑑賞。この映画祭での上映が世界初公開。秋には一般上映も予定されているそうだが、その際にはさらに編集が加えられたバージョンになるという。

 かつては実験的な作風が際立っていたマレーシア出身のリム・カーワイ林家威監督が、前作『新世界の夜明け』に続き、大阪を舞台にしたハートウォーミングな映画を作り上げた。だが、アジアを股にかけて活躍するリム監督のこと、一筋縄ではいかない設定になっている。香港で雑誌の編集を手がけるシェリーンと、アマチュア・カメラマンの大学生タツヤ。キャビン・アテンダントの韓国人と、コリアタウンで韓国雑貨を販売するシンスケ。二組のカップルの出会いと別れを描く。関西空港、大阪市立大学三角公園など、馴染みのある場所が次々と登場。特に大きな出来事が起こるわけではないのだが、心あたたまる。劇中では、日中関係の悪化などにも言及される。そう、これは2012年冬の大阪におけるアジアの人々の交錯の一断面なのだ。マレーシア出身の監督だけに、ちゃんとマレーシア人も登場する仕掛けも(香港人という設定である主演のシェリーン・ウォンも、実際にはマレーシア出身とのこと)。

 我らが大阪を美しく描いてくれた監督に感謝したい。劇場公開版も楽しみだ。

 さて、上映後のQ&Aでは、業界人の方だろうか、監督の足品は「本」(脚本)が弱いのが残念だ、とする意見もあった。それに対して、監督は、映画は脚本だけによって決まるのではない、と答えていたが、同感だ。私自身はちょっと頓珍漢な質問だったが、香港のシーンでは「法輪功」の横断幕などが数度映るが意識的だったのか、またラストシーン近くではスーパー玉出のネオンサインが映るが、同スーパーでロケをした『新世界の夜明け』と併せて考えると、これも意図的だったのか、ということを聞かせていただいた。どちらも意図的ではない、とのこと。(Q&Aでは監督は「法輪功」という言葉を聞き間違えられたのだが、あとでサインを頂いた時に再確認しました。)

 

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【映画】カラ・キング

『カラ・キング』2012・マレーシア・台湾/シネ・ヌーヴォ(大阪アジアン映画祭)/鑑賞日 2013.03.16./星5

 大阪アジアン映画祭@シネ・ヌーヴォで鑑賞。この映画祭での上映が世界初上映。昨年の同じ映画祭で『ナシレマ2.0』により「来るべき才能賞」に輝いたマレーシアのNamewee黄明志監督の第三作。『ナシレマ2.0』も素晴らしかったが、これもまた大傑作の娯楽映画だ。
 この映画を見て、まず連想させられるのは周星馳の映画だ。主演に長年周星馳とタグを組んでいた(が喧嘩別れの末共演することはなくなった)呉孟達ン・マンタを据え、監督自身もその息子役を演じる。怒涛のナンセンス・ギャグは、明らかに周星馳の影響下にあるものだろう(私が見た回には監督のQ&Aはなかったが、別の回のQ&Aでは、監督自身は周の影響を否定していたらしい。だが昨年のQ&Aは、周らの「無厘頭」(ナンセンス)映画のファンであることを率直に語っていた)。周星馳の『食神』が料理と武俠を掛けあわせたものだとすると(by岡崎由美先生)、こちらは歌と武俠を掛けあわせたものだ。
 客家・広東・福建系カラオケ文化が根付くマレーシアの田舎のカラ村に、台湾から道場破りの男(高凌風)が現れ、各派の師匠(師傅)をなぎ倒していく。彼の目的は、かつて戦いで打ち負かされた呉孟達に勝利することだったが…。
 『ナシレマ2.0』がマレーシアの様々なエスニシティの融合を高らかに歌い上げたものだったとすると、この映画から感じ取れるのは、中国系の多様な(音楽)文化の融合だ。出演者も香港の呉孟達、台湾の高凌風とバラエティに富んでいる(もちろんマレーシアのマレー人、インド系の人々も出演しているのだが)。そして、クライマックスで歌われるこの映画のメインテーマともいうべき歌では、普通話、広東語、閩南語の順に言語が変化していく。閩南語になると、ムードが急に台湾歌謡風になるのは面白い。このように各地域の音楽文化を相対化して捉えることができるのは、様々な地域から来た中国系住民を抱えるマレーシアならではのものだろう。
 また、何よりも素晴らしいのは監督のロック史に対する愛情だ。本来はラッパーである監督だが、ここではヒップホップの要素を封印し、ロックンロールからメタルまで自在に扱う。ロックファンならにやりとしてしまう小ネタも。政治的正確さの見地からは、ちょっとどうかと感じなくもないくだりもあるが、それも監督の茶目っ気として受け入れたい。
 第二作『鬼佬大哥大』は未見だが、ぜひ見てみたい。才気あふれる監督の今後にも目が離せない。

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【映画】ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅

『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅~』2011・中国/シネ・ヌーヴォ(大阪アジアン映画祭)/鑑賞日 2013.03.16./星4

 

 2010年に東京国際映画祭で上映され2部門受賞、中国では2011年に公開された映画。大阪アジアン映画祭@シネ・ヌーヴォで鑑賞。

 李玉監督の前作『ロスト・イン・北京 』は傑作だった。直接北京のモニュメントや大事件を描いているわけではないのに、大都会北京で暮らす人々の焦燥感などの社会の雰囲気が伝わってくる映画だ。一方、この『ブッダ・マウンテン』は成都を中心とする四川省が舞台。だが(私自身も成都には1996年以来行っていないこともあるが)成都という街の雰囲気がいま一つリアルに感じられなかった気がする。その大きな理由は、主人公たちが話す言語だろう。若者三人組(成都出身が二人と、四川の田舎出身が一人とされている)と張艾嘉演じる初老の女性は、みな四川訛りのない普通話を話していて、架空の都市のように感じられてしまうのだ。 また、挿入される現実の災害や社会問題(再開発と立ち退き)も、ややテーマを中途半端なものにしてしまっている気がする。

 人は悲しみや苦悩をどう受け止め生きていくのか。それがこの映画のテーマだろう。息子を事故で失った初老の意固地な女性をシルビア・チャン張艾嘉が演じる。言うまでもなく映画監督としてのキャリアも長い彼女だが、出演作としては2006年以来。日本で見ている人は少ないだろうが、70年代初頭の初期ゴールデン・ハーベストでデビューした彼女の可憐な姿をDVD等で見ている者としては、感慨深い。

 台湾出身で香港で活躍した彼女に加え、台湾からチェン・ボーリン陳柏霖も出演している。そういえば彼は張艾嘉監督主演の『20 30 40』にも出演していた。

 そしてこの映画の主役はなんといっても范冰冰。バーの歌手姿で登場し、デブッチョをかばいビール瓶を自らの頭に叩きつける姿など、前作同様体当たり演技が炸裂。本物ではないだろうが白酒を何本も一気する姿も。前半のスピード感は彼女の身体が生み出していたと言っても過言ではないだろう。

 范冰冰が張艾嘉のベッドで彼女に泣きつく姿も印象的。都会の孤独感と同時に、女性同士の連帯というテーマも李玉監督の映画に一貫しているように思われる。

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【映画】毒戦

 

『毒戦』2012(製作)・中国・香港/梅田ブルク7(大阪アジアン映画祭)/鑑賞日 2013.03.08./星4

 大阪アジアン映画祭のオープニング作品として上映されたのを梅田ブルク7で鑑賞。ジョニー・トー杜琪峰監督の舞台挨拶付き。監督は、初めて全篇大陸で撮影した映画であり、いろいろ制約も多かった、と語っていた。中文ウィキペディアでは、重慶のマフィア一掃運動に取材したものとされており、もしかするとその運動を指揮した薄熙来の失脚なども映画製作に困難をもたらしたのかもしれない。トー監督は『奪命金』でも大陸公開版は、最後にヒロインが自首するように内容を変更させられたようであり、この映画でもその手の制約はあったのかもしれない。が、逆に言えばそのような勧善懲悪という大枠のルールを守っておけば、それなりに製作の自由が保証されたのではないか。

 というわけで、後半で林雪ら、顔なじみの香港人キャストがどっと登場すると、一気にいつものジョニー・トー・ワールドが展開する(それにしても林雪、日本の女性たちに人気のようで、彼が登場するだけであちこちからくすくすと笑い声が起きていた)。息をつくアクション、予想を上回る展開、そしてスタイリッシュな中でどこかユーモアを感じさせる映像。

 前半のおとり捜査の部分でも、コミカルな要素がちらほら。特に笑ってばかりのマフィア「哈哈哥」のモノマネを孫紅雷がするシーン。孫紅雷とルイス・クー古天楽は、『強奪のトライアングル』に次ぐ共演。十年以上前に大陸ドラマで見た時から気になっていた女優・黄奕は、どうも映画では出演作品に恵まれていない印象があるが、この映画の彼女はなかなか印象的だ。

 途中、聾唖者の兄弟が登場したり、吃音症の男が登場したりするが、そういえばトー監督の映画には何らかのハンディキャップを抱えた人間が多く登場する気がする。『強奪のトライアングル』のトー監督パートではヤク中?の林雪。『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』ではジョニー・アリディ演じる言葉の通じない外国人、等々。

 ロケ地は天津と珠海であるが、それぞれ津海と粤何とか、と言い換えられ、架空の地名となっていた。天津は私にとっても留学していた土地であるが、主に郊外の経済技術開発区で撮られているようで、あまり馴染みがなく残念。車のナンバーはそのまま「津」が使用されていた。

 

「植民地期の韓国映画と日本映画の交流について」

 さる3月2日(土)、立命館大学にてJSPS二国間交流事業共同研究 シンポジウム「植民地期の韓国映画と日本映画の交流について」が開催された。幸い、ツイッターなどの情報により開催を知り、当日朝からすべての発表を聞くことができたので、感想を簡単に記す次第。

 私は朝鮮半島の専門家でもないので、聞きながら感じたことは、(同様に日本の植民地であった)台湾との比較の視座の有効性だ。10本の発表のうち、台湾との比較について直接言及があったのは、トップバッターの上田氏ぐらいであったが、その分、まだまだ考察の余地が残されているといえるだろう。

 以下、簡単に感想を述べる。

  • 上田 学 (早稲田大学演劇博物館客席次席研究員)「大韓帝国皇太子記録映画の日本における受容」
    1909年、大韓帝国皇太子の姿を収めた記録映画について。日本における上映は限定的だったとして、1907年台湾で撮影された記録映画『台湾視察』と比較している。『台湾視察』は「台湾生蕃歌妓団」を随行させるなどオリエンタリズム的な視点があったのに対し、大観亭湖国皇太子映画の方はそのようなものが見られない、という。ただ、そのことに触れるのであれば、単一民族幻想の強い朝鮮半島と、漢民族以外に原住民も暮らしている台湾との状況の違いをまず押さえるべきではないか、と感じた。

  • 冨田 美香 (立命館大学准教授)「帝国日本のアマチュア映画文化 朝鮮での展開」
    本題に入る前に、枕として京都の映画業の発展を話された。特に立命館大学に近い洛西地区での映画業について話され、そこには多くの朝鮮人も関わっていた、という話は興味深かった(奇しくも太秦は、古代の朝鮮半島からの渡来人が住んでいたことに由来する地名である)。私自身の母校も立命館大学のすぐ近所なので、面白く伺った。また、本題の小型映画文化、初めて聞く話だが、大変興味深かった。台湾ではどうだったのだろう。

  • 雨宮 幸明 (立命館大学大学院博士後期課程) 「プロキノと国際的労働映画運動 ―WFPLとKAPFとの交流比較―」
  • 李 孝仁 (慶熙大学副教授) 「KAPF映画とプロキノの展開過程の比較研究」
    この両者は共に朝鮮におけるプロレタリア映画活動を扱っていて、近いテーマ。

  • 韓 相言 (漢陽大学講師) 「1920年代初頭の朝鮮の映画産業と朝鮮映画の誕生」
    ソウルの1910年代、1920年代の地図を示しながら、日本人居住区に劇場が作られていったこと、一方朝鮮人の藻が集まる空間は危険視されたため中々劇場が作れなかったことが指摘されていて、興味深かった。同化や差別をめぐる映画の内容も興味深い(台湾の『君が代少年』などと比較することも有効かもしれない)。

  • 梁 仁實 (岩手大学准教授)「在日朝鮮人/在朝日本人の映画経験」
    この方が書いた映画における在日の表象についての論文は読んだことがあったが、今回の発表は戦前に限定される。1933年の日本映画『河向ふの青春』には東京在住の朝鮮人が出演した、との指摘があり、なおかつこの映画を製作したPCLがやがて東宝へと名前を変えることと、東宝が『望楼の決死隊』など内地と朝鮮との関係を扱った映画を撮ることとの間の関連の可能性の指摘は興味深かった。梁氏は述べていなかったが、『河向ふの青春』は、東宝(中華電影も)で活躍し大陸ものを手がける松崎啓次も関わっているし、配給は川喜多長政の東和商事である!ということで、中国も視座に加えると、さらに見えてくることがあるのではないか。

  • 鄭 琮樺 (韓国映像資料院研究員)「比較映画史的な視点から見た植民地の朝鮮の発声映画」
    初期のトーキー映画の様々の試みが紹介される。それにしても台湾とは違って、朝鮮では数多くの映画が作られていたんだなあ、と素朴な感想を抱いた。

  • 斉藤 綾子 (明治学院大学教授)「『新派的なるもの』をめぐって」
    面白かった。新派劇の「新派的」という概念を使って植民地朝鮮で撮られた2つの映画を分析する。『半島の春』は悲劇であるのに悲劇とは描けない植民地状況により、映画を撮ることの不可能性が現れているという。どこかで『新派的』なるものの定義について、詳しく書いておられる文章はあるのだろうか。私自身最近トルストイ『復活』と中国語映画について発表したばかりであり、興味をそそられた。どなたか参考文献をご存知でしたらご教示ください。

  • 咸 忠範 (漢陽大学講師)「1940年代植民地朝鮮でのニュース映画: <日本ニュース>を中心に」
    この方、一人だけかなり時間オーバー、他の方の発表時にも私のとなりでずっとしゃべっておられた。テーマは興味深いし、台湾の場合はどうだろう、などと思わされたのだが。

  • 崔 盛旭 (明治学院大学非常勤講師)「植民地の無意識、崔寅奎の場合」
    具体的な映像に基づきながら、ジャック・ラカンの「視線」と「凝視」という概念を用いた分析。

    というわけで、全体的に大変刺激を受けるシンポだった。京都大学の水野直樹氏(朝鮮近代史)も質疑応答で発言されたが、植民地朝鮮の映画にも大変お詳しいようだ。一方で、映画のシンポなどにありがちなことだが、アカデミズムの外の人が手を挙げてやや頓珍漢な質問をしていたのには、ちょっとしらけてしまったのだが。

    韓国映画史 開化期から開花期まで

    韓国映画史 開化期から開花期まで

【映画】コンシェンス 裏切りの炎

『コンシェンス 裏切りの炎』2007・香港・中国/シネマ神戸/鑑賞日 2013.02.27./星4

 香港・中国2010。シネマ神戸で鑑賞。『強奪のトライアングル』と同時上映。

 ダンテ・ラム 林超賢監督。『強奪のトライアングル』のあとで見ると、破綻なく作りこまれたフィルムという印象が強い(その分、ややできすぎ、という印象も残るのだが)。早い段階で、事件の黒幕が明らかになり、後は主人公二人の対決へと向けてストーリーが展開していく。

 レオン・ライ黎明は髭を蓄えてワイルドな役作り。妻を殺されたことから取り調べ時に感情を制御できない、という役どころ。一方のリッチー・レン任賢齊は、眼鏡をかけていてやや神経質そうな印象を与える。

 冒頭、地下鉄駅の警官襲撃事件と、レストランでの携帯泥棒事件の静止画は、スタイリッシュだ。また、アクションシーンもさすがにうまく見せる。最後は中秋節に行われる香港島は大坑のドラゴンダンス舞火龍が主人公たちの行く手を遮る(映画の原題『火龍』は、ここからとられている。主人公二人が辰年生まれであることもかけているだろう)。香港の祭りに行く手を遮られる場面は『Gメン75』にもあったような気がするし、もっと古い映画にもあったような気がするのだが、思い出せない…。

 『強奪のトライアングル』もそうだったが、これまた広東語と北京語の入り混じる映画。大陸から出稼ぎにやってきた設定の王宝強や、夜の世界で働いていたビビアン・スーは、北京語を話す。ビビアン(きれいだ)の役柄もまた、大陸からの出稼ぎであったことが示唆されている。王宝強、タクシーで「深水埗」と言う時だけは広東語を話す。それぐらいは言えないと生きていけないし、またそれぐらいはすぐに言えるようになる、ということか。

 意外と言及されていないようだが、この映画では、かつてのカンフースター、陳觀泰チェン・カンタイと羅莽がカメオ出演している。二人は同年『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』(打擂台)にも出演し話題になった。ミシェル・イエ葉璇の颯爽とした婦人警官姿も印象的。