備考欄のようなもの

主に、中国語圏の文学・音楽・映画等について記します。

服部良一香港ディスコグラフィ補遺

昨年、レコードメーカー合同企画「服部良一 ぼくの音楽人生<完結編>」の特典・公式ガイドブックが作成された際、ディスコグラフィのうち、香港部分の制作で協力させて頂いた。校正する機会をいただけず、わかりづらい部分もあるので、このブログでも、補足を記した次第だ(こちらのエントリー)。小さな発見ではあるが、その後判明したことを三点ほど記しておく。

・日本での原曲があるものについては、ディスコグラフィにも掲載していただくつもりだったのだが、原曲名はすべて欠落していた。そこで先のエントリーで補った次第だが、もう一曲の原曲が新たに判明した。靜婷「長帶三分笑の原曲は渡辺はま子チャイナムーン」だ。

・公式ディスコグラフィでは服部の香港での提供曲は1968年までとなっている。事実、彼が音楽を担当した香港映画は1968年の《花月良宵》が最後である。また服部自身も香港映画の内容も変化し、弟子~友人であった姚敏も亡くなったので、香港に行くこともなくなった、と自伝に記している。だが、EMI系列のレコードを調査すると、服部は70年代前半にも2曲の楽曲をEMIに提供していることが分かる。

一曲目はこのアルバム。

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甄秀儀《為你流盡千點淚》(百代S-CPAX-360,1971)

服部の曲はB面6曲目(ラスト)に入っている《心有靈犀一點通》で、易文詞、服部良一曲、とクレジットされている。スローでマイナーな一曲だが、日本の原曲があるかはすぐには思いつかない。作詞の易文は服部が音楽を担当した映画《教我如何不想她》(1963)のすべての楽曲で作詞を担当していた(監督、脚本も)ので、その時に使われなかった曲を流用したのかもしれない。

もう一曲は、以下のLP。

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 邵氏電影插曲原聲帶《愛心千萬萬》(麗歌S-LRHX-1023,1975)

服部の曲はB面一曲目。廖小璇の唱う《星座》、作詞は狄薏(陳蝶衣)。陳蝶衣はかつて香港での服部楽曲の作詞を担当した際にも狄薏の筆名を使っていたが、このLPで他にも狄薏の筆名で歌詞を担当しているので、これがストックを利用したものなのか、新たに作られた曲なのかははっきりしない。曲調は打って変わってアップテンポの楽しげな曲だが、こちらも日本の原曲があるかどうかは分からない。

以上、服部の楽曲(カバーではなく新曲)が70年代の香港でも吹き込まれていたという報告でした。

※(7/16付記)インターネットを検索していて、もう一曲、ディスコグラフィから漏れていた曲を発見した。蓓蕾《奇妙的一天》、作詞は周之源(=易文)(データはこちら)。90年代に出たCDシリーズ百代中国时代曲名典の蓓蕾『我一見你就笑』に収められているがが、手元にはなく、原盤番号等も不明。蓓蕾は、もう一曲の服部作品《花兒頭上插》(原曲:「支那むすめ」)を1960年頃に歌っているので、この曲も同時期の録音であると推測できる。音は土豆網にもあるが中国国内限定SPOTIFYにもあるが日本からは利用できない

 

 

 

銀座カンカン娘~僕の音楽人生<完結編>

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