備考欄のようなもの

主に、中国語圏の文学・音楽・映画等について記します。

とほほニュース「周璇、暴徒に襲われ負傷」

被害者の方には申し訳ないのだが、こんなニュース。
http://www.guangming.com.my/gmgn.phtml?sec=193&sdate;=&artid;=200711100873
メンタカブの周璇と呼ばれる野菜売りの女性、朱月蘭は夫とトゥムロー販商公会歌詠班で歌の練習をして帰宅途中、強盗に遭い、手提げ袋を奪われた。彼女は周璇のCDを失った他、腕にも切り傷を負ったが、幸い命には別状はない。
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マレーシアの華人社会で、歌詠班なるものが機能しているとは興味深い。この女性が「メンタカブの周璇」と呼ばれ、周璇のCDを持っていたというのも面白い。

「とほほ」といえば、必要があって呉子牛監督の『英雄 国姓爺合戦』(中国語題『英雄鄭成功伝』、2001年、日本=中国)を見た。あまりのひどさに、めまいがする。鄭成功の時代以前から台湾は中国のものだったが、オランダ人に奪われた。それを取り戻す、というストーリー。鄭成功の台湾攻撃には清の康煕帝も、中国人の土地を取り返すという行為は立派だとして、鄭成功の台湾攻撃を承認する。台湾を攻撃する戦闘シーンでは人民解放軍が協力している。史実を全く無視した政治宣伝の映画だ。そういえば、同じ呉子牛監督の『国歌』(1999)もひどい映画だった。あれも史実を全く無視していて、黎錦暉の黎の字すら出てこない。あれは知り合いが出演しているので、その姿をチェックするという別の楽しみ方もできるが…。